静かなる情熱家
ジェローム・ジュレ
JEROME JOURET
手作りのセラーから生まれる個性豊かなワイン
ワイナリー訪問で個人的に一番会いたかった方の一人です。(男前だからという理由だけでは決してありません)写真で見ていた通り、知的で紳士的な方。さらに、カーヴは彼の手造りだというから驚きです。まずは畑へ。車で3分ほどのところにあるカリニャンや樹齢60年のグルナッシュ、メルローなどが植えられている畑に案内していただきました。
畑をみれば、丁寧な仕事ぶりがわかる
どのブドウ樹も立派で、大切に育てられているのが伝わってきます。南とはいえ、標高が高いため、このときはまだグルナッシュは開花の途中で、この時期の主な作業としては無駄な枝や葉を取って風通しを良くしているそうです。
この辺りは近くに川があるのと、山を通って涼しい風が吹くので収穫は遅めとのこと。
2015年は今のところ北風が強く、いつもより乾燥しているそうです。ジェローム氏の畑には古木のブドウも多いのですが、ブドウが実らなくなってしまった古木は苗木屋さんに持って行ってある程度まで育ててもらい、ご自身で台木をセレクトして接ぎ木し、自分のところにまた植えるそうです。
カーヴといい、本当に何でも自分でやってしまうんだなぁと、ただただ驚嘆するばかりです。
その後、カーヴに戻り、醸造所を見学。
カーヴの中に入ると、思った以上に広く、そして最新の設備も整っています。
古いものと新しいものをうまい具合に使い分けながら最善の方法を取っているのだと感じました。
ワインにも彼という人柄が現れている
彼のワインの美味しさは自然の恵みだけでなく、彼の努力あってこそという記事を読んだことがありましたが、それはごつごつとした手や顔に刻まれた深い皺が物語っていました。やはり、ワインは造り手を映す鏡ですね。彼のワインからは静かなる情熱のようなものを感じていましたが、ご本人からもそれを感じます。
次に彼のワインを飲むときは彼のところで見たものすべてを思い浮かべることでしょう。。。