やや淡い赤紫色。ブラックベリーやカシス、ブルーベリー、フランボワーズ、ザクロなど熟した黒系果実と引き締まった酸をもつ赤い果実が混ざり合う果実香に、赤紫蘇や小梅、バラのドライフラワー、お香などの香りが加わり、若々しい果実のニュアンスにたおやかな様子が感じられます。
シャープで張りのある酸が輪郭やメリハリを与えながら全体を支え、ブレがなく芯のしっかりとしたスタイルへと導き、それでいて酸の角は円みを帯びており、瑞々しささえ想わせる雑味のない飲み心地で、軽やかに口中へと広がります。
軽快感のあるタッチでありながら、黒や赤のミックスベリーを想わせるソースの緻密感や華やかさ、ポプリやお香などの風味が絡み合い、複雑性やおくゆかしさが感じられます。
今後の熟成で若々しさにこなれ感が感じられ、魅惑的で上品な様子や複雑性に富んだ味わいが引き出されていくことでしょう。
リヨンから北東に1時間ほど行ったところにあるサヴォワ地方で、1年のブランクを空けて、フランソワ・グリナン氏がワイン作りを再会しました。(この再出発にあたって、ベルギー人の2人のナチュラルワイン愛好家が共同経営者として参加しています。)
4種類のワインのうち、ルーセットとピノ・ノワールは、ヴィル・ボワ村にある自社畑のものです。
ガメイとシャルドネは、有機栽培されたぶどうを買っていますが、4つ全てを合計しても2.1Haと極めて少ない生産量です。
ナチュラルワインを造り始める前は、ピアニストだったグリナン氏。古くて小さな醸造所をきちんと改装しているあたりは、氏の人柄が表れています。勿論ワイン作りもとても丹念です。(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]フランス・サヴォワ ヴィル・ボワ村
[タイプ]赤・辛口
[品種]モンドゥーズ100%(買いブドウ)
[アルコール度数]10%
[醸造について]全房で1週間のマセラシオン。グラスファイバータンクで10か月間発酵と熟成の後、600Lの樽で10か月間熟成。
■ドメーヌ情報
[本拠地]フランス・サヴォワ
[生産者]フランソワ・グリナン
[栽培]ビオロジック
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。