「一歩、横に」という結婚式の際にも使われる言葉で、忠誠を意味する。人が為すことを一歩離れ、客観的に見つめ直すというアクセルの冷静な想いが込められた名前のワイン。
チャーミングではあるもののしっかと凝縮した果実味が特徴で、厚みのある果実のフレーバーに満ちています。
ル・トン・デ・スリーズのワインの中では、もっとも骨格がはっきりとしており密度のあるワイン。
さくらんぼやラズベリーなどのキュートな果実の香りに加え、桜のようなフローラルさも感じられます。
淡く、薄い外観とは裏腹に、コクを感じる味わい。
クランベリーチョコレートの様に果実の甘味をカカオが引き締めている味わいで、余韻には昆布出汁のような繊細な旨味も感じられる。
しっかりした肉質の地鶏のローストと良い相性をみせます。
ドメーヌ名となっている「ル・トン・デ・スリーズ(さくらんぼの実る頃)」は、1866年にジャン=バティスト クレマンによって作詞され、アントワーヌ ルナールの手によって作曲されたフランスの古い歌曲です。この曲は後に、パリ コミューンをめぐる歴史に強く関連付けられ、作詞家のジャン=バティスト クレマンが想いを寄せていた女性が、「血の一週間」の間に殺害され、彼女を失った悲しさと儚い恋の想いを綴ったものと言われています。
そんな悲劇から生まれた歌曲から自らのドメーヌ名をとったのは東ドイツ出身のアクセル プリュファー。経済大学に2年ほど通っていましたが、自分の望む本来の生き方とは違うのではないかと疑問を抱き、バーなどで働きはじめます。その後、兵役に就くのを嫌ってキャンピングカーに乗り込み、安住の地を求めて放浪。そして行き着いたのがフランス ラングドック地方。この地で彼は、ヤン ロエル、ジャン=フランソワ ニック、エリック ピュフェリン(ラングロール)と出会い、彼らからワイン造りの手法とそれにかける情熱を学び、自らもワイン生産者となりました。
ル・トン・デ・スリーズのワインを産する畑は、南フランス ラングドック地方のベダリューという街からすこし山を登った森の中にあります。畑の多くは標高の高い山間にあり、比較的涼しい気候と乾燥した風によってみずみずしさと清涼感のある味わいを備えたワインとなります。
畑でのブドウ栽培においては、除草剤や殺虫剤、化学肥料を用いない自然な栽培を行い、醸造に関しては自然酵母による発酵にはじまり人為的な介入を避けたシンプルな方法で醸造を行っています。
(インポーター資料より)
2015年6月上旬、ル・トン・デ・スリーズを訪問してきました。
スタッフblogからご覧いただけます。
■ワイン情報
[産地]フランス ラングドック
[タイプ]赤・辛口
[品種]グルナッシュ
[アルコール度数]13%
[醸造について]自然酵母のみで発酵させ、2週間ほどマセラシオン カルボニックを行った後に大樽にて熟成。SO2(亜硫酸塩)無添加
■ドメーヌ情報
[本拠地]フランス/ラングドック
[生産者]アクセル・プリュファー
[設立年]2004年
[栽培方法]ビオロジック栽培
酸化防止剤無添加のワインでも発酵の際に「自然に」ごく微量の亜硫酸塩が生成されます。
そのため、裏ラベル等に「亜硫酸塩(酸化防止剤)含有」と表記されている場合があります。
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。