淡い緑を帯びたイエロー、柚子や早生みかん、黄リンゴのアロマ、軽やかなアタックにジューシーな果実味がじわりと拡がり、ミネラルにほんのり塩味と伊予柑の甘酸っぱさをアフターに感じます。
パリ出身のエルヴェは元貴族だという妻の実家が経営するドメーヌ・ロマノーデストゥゼを受け継ぎ、1993年からワイン造りを始めました。16世紀に建てられたお城のような住まいに併設した醸造所は、歴史を感じる重厚感があります。
畑はドメーヌ近辺のドゥー川に続く南東向きの斜面のほか、サンジョセフ地区では珍しいとされるエルミタージュと同じ地質をもつ区画「サンテピーヌ」など合計7ha所有し、すべて南東向きという好立地。
昔、火山が噴火した花崗岩が風化し砂地になった標高450メートルの斜面の畑では、病気に強いヴィオニエ、早熟で病気に繊細なルーサンヌ、高樹齢のガメイやシラーが育っていました。
標高の高さからブドウにしっかりとした酸がのるのが特徴で、収穫も通常より2 ヶ月ほど遅い10月から開始されます。
目力が強く一見強面のエルヴェですが、笑顔がやさしく気品のある頼もしさが印象的。そんな真摯な彼との対面後、ワインへの期待が膨れに膨れた我々に、答えるかのごとく期待を遥かに超えるレベルのワインが次々とサービスされ驚嘆の声が上がり続けました。
それもそのはず、エルヴェはコルナスの自然派生産者ティエリー・アルマンの元で基本的なワイン造りを学び、友人であるダール・エ・リボの元で研修を積んだ真の実力者で、北ローヌの中でも美しく抽出された果実味とピュアという一言だけでは片付けられない繊細な崇高さに目が覚める思いでした。
年々ワインの質が向上し続け、現地での評価も上がっています。
2015年7月訪問しました。
blogよりご覧いただけます。
■ワイン情報
[産地]フランス ローヌ地方
[タイプ]白・辛口
[品種]ヴィオニエ60%、ルーサンヌ40%(平均樹齢28年)
[土壌]花崗岩
[アルコール度数]13.5%
[醸造について]自然酵母にて、ステンレスタンクで発酵(マロラクティック発酵あり)、ステンレスタンクと225Lの古樽で熟成。濾過あり・無清澄
■ドメーヌ情報
[本拠地]フランス ローヌ地方サンジョセフ
[設立]1993年
[生産者]エルヴェ・スオー
[栽培]ビオロジック
[所有畑]7ha
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。