輝きのあるルビー色。レーズンやプルーンなどの黒系果実のドライフルーツ、黒糖を想わせる凝縮した果実や深みを感じさせる香りが混ざり合い、緻密な果実感のあるワインをイメージさせます。スワリングすると充実感のある香りが更に膨らみ、加えて醤油やドライフラワー、トリュフなど複雑な印象が現れます。
香りからのしっかりとした様子に比べ口に含むと繊細なミディアムタッチで驚きさえ覚えます。色合いから想像させる赤い果実の密度の高いエキス感、香りに感じられた黒系果実やトリュフ、ドライフラワーなどの複雑でコク深い風味、カレンズやカシスを想わせるキュッと引き締まった酸が解け、なめらかな口当たりで馴染むように口中へと沁み渡ります。アタックの上品な赤い果実のニュアンスから、徐々に重なっていく複雑性を伴う充実感溢れる雑味のない果実味が口中を覆うように広がり、仄かに舌に残るビターカカオのようなタンニンはエレガントな雰囲気に凛とした様子を与え、全体に締まりを感じさせています。
ラベルに書かれている文章は15世紀に実在したとある小説家の作品から引用されたもので、それは戦争に敗れて国を追われた王様が、魔女ル・ビドンに会い予言を受けた際の話しです。
「伝説の鳥コクシグルがあなたの元に訪れる時、あなたも王として戻れるであろう。」しかし、待てど暮らせどコクシグルが王様の前に現れることはなく、彼は失意のうちに亡くなったという。何故なら、コクシグルは架空の鳥だったから。この話しには、人生は終わりのない旅であり目標へ辿り着くまでに様々な試練が待ち受けている。だからこそ、努力を怠らず気持ちを前向きに突き進むことが大切である、という意味が込められています。
サンシニアンの若きホープ!
マコン出身のヤニックは1975年生まれ。リヨンのワインショップの店員を務めながらプイィ・フュッセにて数年にわたり栽培の勉強を積みました。その後は自分自身のワインを造ることを前提としてイヴ・キュイロンで醸造を学び、最後は2002年から2年間レオン・バラルで働きました。ここで学んだことが彼に最も大きな影響を及ぼしたらしく、栽培から醸造に至るまでの全てが自分の仕事に活かされていると語っています。
ラングドックの美しさに魅せられて2004年にサンシニアンにて10ヘクタール/約4万本の畑を購入。将来を大いに期待できる美しいワインを造っています。(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]ラングドック地方
[タイプ]赤・辛口
[品種]カリニャン(樹齢100年)、グルナッシュ(樹齢70年)
[アルコール度数]14.5%
[醸造について]2週間のマセラシオンの後、タンクで24か月、樽で24か月発酵・熟成
■ドメーヌ情報
[生産者]ヤニック・ペルティエ
[所有畑]10ha
[栽培方法]ビオロジック
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。
2023.7月上旬に試飲しました!(以下、スタッフの独断と偏見ありのコメントです)
果実感溢れる気さくなワイン
【ティスティングメモより】【好き】 ワインってブドウからできてるんだなと感じられるチャーミングなワイン
【苦手】 口が尖ってしまうほどの酸味と苦みが強いワイン
抜栓直後に飲みました。
濃い目のパープルレッド。
熟した果実の香りから、もう少し煮詰めた感じまでします。ブルーベリーやプルーンを思い起こします。ボリュームのある香りなのですが、スミレのような青い感じもあって、落ち着いた上品な香りといえます。
味わいは、果実感を十分に感じつつ軽快さもあって、口当たりは気さくな感じです。収斂みのあるタンニンで締まりがあります。
誰でも近づける親しみやすいワインです。
気温30度を超える日に17度くらいで飲み始めましたので、ちょっと冷たかったのですが、とても良い感じで頂けました。