文旦や晩柑、八朔、レモンなどの柑橘の爽やかな果実香に、黄色や白の花々のふっくらとした優しい香り、メレンゲ菓子、火打石のニュアンスが伺えます。
ピリピリと微細なガスのクリスプ感が感じられ溌剌とした印象で、優しい甘みが舌先を包み込みながら、凛としたシャープな酸が全体を引き締め、舌の上を滑るように流れていきます。
柑橘をギュッと搾ったような溌剌とした果実の風味に、円みのある柔らかいフローラル系の香りや蜂蜜の風味のコク深さやほどよいリッチ感が調和し、口中へと広がります。
開いていくにつれて、黄プラムや桃、黄柑橘のピール菓子の甘やかさ、柑橘の内皮を想わせる旨みを伴うほろ苦い風味が重なり、膨らみのあるフルーティーな果実味や抑揚、奥行き感じられる辛口の仕上がりです。
リヨンから北東に1時間ほど行ったところにあるサヴォワ地方で、1年のブランクを空けて、フランソワ・グリナン氏がワイン作りを再会しました。(この再出発にあたって、ベルギー人の2人のナチュラルワイン愛好家が共同経営者として参加しています。)
4種類のワインのうち、ルーセットとピノ・ノワールは、ヴィル・ボワ村にある自社畑のものです。
ガメイとシャルドネは、有機栽培されたぶどうを買っていますが、4つ全てを合計しても2.1Haと極めて少ない生産量です。
ナチュラルワインを造り始める前は、ピアニストだったグリナン氏。古くて小さな醸造所をきちんと改装しているあたりは、氏の人柄が表れています。勿論ワイン作りもとても丹念です。(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]フランス・サヴォワ ヴィル・ボワ村
[タイプ]白・辛口
[品種]シャルドネ100%(買いブドウ)
[アルコール度数]13.5%
[醸造について]ダイレクトプレス。228Lの樽で20か月発酵と熟成。濃い黄色。
■ドメーヌ情報
[本拠地]フランス・サヴォワ
[生産者]フランソワ・グリナン
[栽培]ビオロジック
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。