黄金色。りんごの蜜やアカシアの蜂蜜、擦りおろしりんご、レモンバーベナ、オレンジや白の花々の華やかさ、僅かなビターカラメルや火打石の芳ばしいニュアンスなど熟成由来の深みと若干酸化的な複雑性が伺える香りが溶け込みます。
繊細で柔らかい泡が液中に解け、ややコク深い風味をふっくらと口中に膨らませます。
アタックは安政柑などの和柑橘の風味とメリハリのある小気味良い酸が絡み合いスッキリとした印象で、口中へ留まる風味には次第に蜂蜜やりんごの蜜、擦りおろしりんご、アーモンドの皮のような芳ばしさ、乳酸的なまろやかさや旨みなどが重なり、深みや奥行きが増していきます。
アフターにはフランボワーズのような赤い果実の愛らしさや華やぎのある上品な風味がふわりと現れ、コク深い中にエレガントな印象を残します。
凛とした酸が全体を支えながら輪郭を与え、その中心の液体は非常に柔らかく緻密な果実や様々な要素が絶妙に溶け込み、ガスが完全に抜けてからは原酒そのものの素晴らしさがより魅力的に感じられるほどの仕上がりです。
アモリーはシャンパーニュ地方でビオディナミ農法を実践した先駆者として知られる老舗ドメーヌで知られるアンドレ・ボーフォールの孫で、2018年から自身のドメーヌを持ち家族とは別にシャンパーニュを造っています。
10代の頃から父ジャックが率いるドメーヌで畑仕事を手伝い、その後本格的なワイン造りに関しては20代前半の時期(2003年から2008年までの5年間)に従業員として携わりました。しかし、造りたいワインのスタイルが明確であり、それが父のスタイルとは全く異なっていたことから、2000年代後半に独立します。
最初のドメーヌは北ブルゴーニュ(シャブリ、トネールエリア)に持ち、10年にわたりナチュラルワイン造っていました。
合計で15年の経験を積み、2018年にシャンパーニュ地方南部のバル・シュル・セーヌで生産者として二度目のスタートを切りました。父親から受け継いだ畑の区画面積は0.88haのみですが、土壌は1971年以降一切の除草剤や化学肥料を使われていない素晴らしい状態のものです。
「区画面積はとても小さいけれど、一般的には見過ごしがちな区画特有の細かい要素に注意を払う事ができ、それらが葡萄にどのような影響を及ぼすのか観察できる点が、私にとってとても大切です。」と彼は話します。
畑では雑草を排除せず、トリートメントも常に必要最低限に抑え、夏には高く生えた枝と葉も切り落とさずにトレサージュ(編む作業)を行う事でブドウの実に影を作り過度な日射しから守るなど、様々な工夫が施されています。
醸造は至ってシンプルで亜硫酸(SO2)を含む添加物は使いません。これはシャンパーニュ地方では非常に珍しいケースで、ワインの味わいがよりピュアに仕上がります。発酵及び熟成期間中は液体の動きが活発なフードルと、その反対に活発ではない樽のそれぞれの利点を活かし、タイミングを見てそれぞれのワインを入れ替えます。
ジャルディノの素晴らしい土壌と豊富な経験、優しくて堅実なアモリーのワインには、共通して突き抜けるように強い酸とミネラルがありますが、この特徴に加えて繊細な泡とピュアな味わいにとても魅力を感じます。
正確で主張が少なく、優しささえも伺えるシャンパーニュ。そんな彼の人柄が、きっと一杯のグラスから伝わってくることでしょう。(インポーター資料より)
【提供温度とサービスについてのお願い】
冷蔵庫内などの冷えすぎる環境ではなく、12度~19度程度のセラー温度で管理をお願いいたします。お召し上がりになる際は、氷水で10分弱冷やす程度で充分です。
シャンパーニュグラスではなくワイングラスを使用していただくことで、微細な泡が溶け込み様々な要素が緻密に絡み合う原酒の味わいをたっぷりとお楽しみいただけます。
※入荷配送時によるエチケットの擦れや軽い破れなどが若干ございます。ご了承の上お買い求めください。
■ワイン情報
[産地]フランス シャンパーニュ地方南部のバル・シュル・セーヌ
[タイプ]泡・白・辛口
[品種]ピノ・ノワール80%(樹齢60年)、シャルドネ20%(樹齢10年)
[土壌]キンメリジャン、ポルトランディアン
[アルコール度数]11%
[醸造について]フードルで発酵後に500Lの古樽で10か月熟成。瓶詰め前の数ヶ月間は再びフードルで寝かせて仕上げる。合計で22か月の熟成後に、2020年の果汁を加えて瓶内二次発酵。17か月の熟成後2022年11月9日にデゴルジュマン。ドザージュなし、残糖0g。SO2(亜硫酸塩)無添加
■ドメーヌ情報
[設立年]2018年
[生産者]アモリ―・ボーフォール
[所有畑]0.88ha
[栽培方法]ビオロジック栽培
酸化防止剤無添加のワインでも発酵の際に「自然に」ごく微量の亜硫酸塩が生成されます。
そのため、裏ラベル等に「亜硫酸塩(酸化防止剤)含有」と表記されている場合があります。
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。